第16回児童生徒地図作品展 入賞作品の紹介


岐阜県知事賞

めざせ野口健!ゴミ拾いandゴミへらし大作戦
岐阜大学教育学部附属小学校4年 松永悠彦

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(動機と感想)
 僕が以前、登山家の野口健さんの本を読んだ時、野口さんが富士山だけでなくいろいろな所でゴミ拾いをしていることを知り、僕も家の周りのゴミを拾ってみました。この時、予想以上にゴミが多くてびっくりしました。「ゴミを捨てることが悪いことだとみんなが思わなければゴミはなくならないと思う。」と日記に書いたら、担任の先生が「捨てる人の意識を変えるにはどうしたらよいのだろうか。」とコメントを書いてくれました。僕は「町にポスターをはったり、ビラを配ったりしてよびかけをすればみんなの意識を変えることができてゴミをへらせるのかなあ。」と思ったので、実際に活動してみて、その結果を町の地図にしてみようと思いました。
 活動してみた結果、予想や希望とちがって、ゴミは思ったほどへりませんでした。むしろ、長良川花火大会の次の日は、ゴミがふえていたので残念でした。拾った結果を町の地図にしてみたら、ゴミの中では、いつもタバコのすいがらが多く、特に人や車がたくさん通ったり、バスが通ったりする大通りに多いことや、公園の中のゴミも多くて、おかしや花火のゴミがあることや、花火大会の後は、食べ物のくしやプラスチックのトレイなどがいつもより多いことなどが分かりました。この活動で、ゴミに関心のある人たちがたくさんいることも分かりましたが、すべての人にゴミのことを考えてもらい、ゴミを捨てないようにしてもらうためには、もっと時間をかけて、もう少したくさんの人といっしょに活動することが必要なのかなあと思いました。
(講評)
 町中に落ちているゴミについて、調査日ごとにゴミの量と種類を分析して、その実態を明らかにしており、ゴミを減らすために「その一歩」を踏み出して、積極的に活動している姿がよく分かる素晴らしい作品です。この活動に対する多くの人々の協力が望まれます。

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岐阜県教育長賞

ぼくの町にすむ生きもの
郡上市立大和北小学校2年 野首公亮

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(動機と感想)
 ぼくのいえのベランダにホタルがとんできました。なかまのいるところへかえそうとホタルがすんでいるばしょをしらべていたら、めずらしい生きものたちに出あえました。そこで、どこでどんな生きものに出あえたかをマップにしてみようと思いました。
 ぼくのすむ町はホタルがとびまわり、アユが元気におよぎ、オオサンショウウオがあんしんしてくらせる町だということがわかりました。ゆたかなしぜんがのこるじまんできる町だとおもいました。
(講評)
 道路や川の表現が力強く、綿密な調査に加えて、オオサンショウウオやアユなどが生き生きと描かれ、地図の主題を明確に伝えています。また見つけた生き物ごとに「○○レベル」と設定して、5段階で自己評価しているところにも個性や工夫が感じられます。

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岐阜県教育長賞

長良川の橋めぐり23665歩
関市立金竜小学校3年 後藤克輝

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(動機と感想)
 長良川にかかる橋にきょうみをもったので、自分で歩いてみました。橋の下の川原も調べて長良川の地図にしてみようと思いました。
 ひょう高とかこうからのきょりをあらわす地図にしたら、石が流れるようすがわかりやすくなりました。橋も下流へいくほど長くなることも、歩いたことでよくわかりました。
(講評)
 長良川に架かる橋をすべて自分で歩測した根気と努力が伝わってきます。伊能忠敬も感心することでしょう。また地図の中にそれぞれの橋の歴史や川原の様子、石の種類などを加えて効果的に表現しています。橋の種類別表現にもマッチ棒を並べたような面白味が感じられます。

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岐阜県教育長賞

私流高速道路を楽しむ方法
岐阜大学教育学部附属小学校6年 成戸雪季

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(動機と感想)
 高速道路が1000円になり、私の家でも利用するようになりました。でも、車の中での移動はたいくつ。ぼんやりとみた標識をなにげなく「あれはなに?」ときくと、だれも知りません。あれこれと聞いていくうちに、高速道路について何も知らないことに気づき、調べてみようと思いました。
 高速道路が、安全に速く目的地につくために、私達の知らない場所で支える人達の努力が見えました。地形図を作ってみて、3本の道路の特ちょうと、地形を利用して道路をつくっている事がわかりました。ここでしか使われない標識や町の標識を見て、新しい高速道路の使い方を知りました。
(講評)
 中部地方の高速道路について平面図と断面図を組み合わせて表現してあり、山地や平野を走る高速道路の地形環境の違いなどがそれぞれよく分かります。調査で出会った人から学んだことや渋滞のしくみなども加えられていて、とてもよい作品となっています。

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国土交通省国土地理院長賞

2010 明七橋地図の旅
岐阜市立長良小学校5年 春見亮磨

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(動機と感想)
 古い地図を見てみたくなり、県立図書館へ行きました。図書館の先生に長良の古い地図を見せてもらいました。ぼくの知っている所があって、胸がドキドキしました。だからぼくは、その地図の場所は、今はどうなっているのか調べてみようと思いました。
 古いお寺や神社などが今も大切に残っていることがすごいと思いました。そして、昔と利用の仕方がちがう長良川のことや長良橋ができるまでのことを初めて知りました。ぼくは、これからも今まで続いてきた歴史を大切にしていきたいと思いました。
(講評)
 明治時代の古地図をもとに、そこに載っていた神社や寺、名所などが、現在どうなっているのか、足でかせいだ丹念な調査で明らかにすることができました。その一つ一つに「日記・写真・資料」をつけて分かりやすく整理してあるので、「みんなに広めたい」という願いは実現すると思います。

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財団法人日本地図センター理事長賞

そこがミソ
岐阜市立本荘小学校5年 隅田彩佳

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(動機と感想)
 春に京都と和歌山に行ったとき、旅行先で飲んだ味噌汁は、私がよく家で飲む味噌汁と味や色がちがっていました。そこで、各地の味噌のちがいについてくわしく調べてみようと思いました。
 味噌を分類してみると、米味噌、麦味噌、豆味噌にわけることができて、日本では米味噌がとても多くの地方で使われていることがわかりました。各地方によって、特ちょうがあり、名前もちがうことが分かりました。
(講評)
 日本各地の味噌を分類して、原料の違いによる地域的分布が色分けされて表現してあるので、見る人に意外な発見をもたらします。工場見学に行って分かったことや各地の味噌工場の方からパンフレットを送ってもらったことなどからも、味噌について学習を深めたことがよく伝わってきます。

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日本地理学会会長賞

私の町のリサイクルマップ
大垣市立宇留生小学校6年 井戸瑞歩

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(動機と感想)
 食品を使ったり、飲み物を飲んだりすると、トレイやアルミ缶、ペットボトルなどが出ます。それをリサイクルBOXに出しに行く時、場所によって出せるものがちがうので、もっと楽に出せたらと思い、このマップを作りました。
 調査してみると、店の数が多く、場所も遠くてたいへんだった。調査期間に回収量が変わる店もあり、これからもリサイクルに協力したい。
(講評)
 自宅から半径10q圏内・44件の店舗や岐阜市周辺の市町村を丹念に調べて、それぞれが資源のリサイクルにどのように取り組んでいるのかを、表やグラフを加えて分かりやすく表現することができました。これからも変化をしていくという予想をたてているので、ぜひ、調査を続けてください。

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岐阜地理学会会長賞

川の流れと私たちの町の移り変わり〜長良川の洪水の歴史とともに〜
岐阜市立長良東小学校5年 高橋麗

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(動機と感想)
 私は夏休みに、岐阜公園のボランティアガイドの方から、「昔は長良川が3つに分かれていたんだよ。」と教えてもらいおどろきました。もっと詳しく川のことについて調べてみることにしました。
 私の住む町にも輪中地区があって、水害に苦しめられていた事、そのため3本の長良川を今の1本の流れにして水害の心配をせずに安心してくらせるようになった事を知り、昔の人に感謝したいです。
(講評)
 「以前川が流れていたところ」と、「現在川が流れているところ」を、地形図を比べたり資料を活用したり、河川を管理する事務所の方にインタビューしたりして、その事実を明らかにすることができました。度重なる河川の氾濫の歴史とともに、土地が築かれていくありさまが詳細に描かれています。

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岐阜県図書館長賞

100年前のたんけん
岐南町立東小学校3年 杉江実咲

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(動機と感想)
 明治のころの地図を見て、わたしの町が昔はどんな様子だったか、とても知りたくなりました。そのために昔の地図と今の地図を正かくに重ねる必要がありました。
 わたしの町が100年前はどんな様子か、とてもよくわかりました。もしできるのなら、自分の目で本物の昔の町を見てみたいです。次は、タイムマシンを作りたいです。
(講評)
 明治24年の地図と1961年の地図(昭和36年)、今の地図を効果的に重ねることで、明治・昭和・平成の変化が分かりやすいように工夫してあります。道路や田畑、集落などもよく考えて色分けされているので、当時の様子がよく伝わってきます。

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岐阜県図書館長賞

クイズ!日本の川・平野
岐阜市立加納西小学校3年 寺本琉夏

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(動機と感想)
 お兄ちゃんが「庄内平野の米づくり」を勉強しているのを見て、日本にはどんな平野があって、そこにはどんな特徴があるのかを知りたいと思いました。そこで、日本の平野とそこを流れる川を調べ、クイズ形式のパズルを作ろうと思いました。平野と川の特徴のクイズに正解の平野と川のパズルをはめると、パズル裏側の鉄プレートを通じて、電気の回路がつながり、日本地図のその位置が光る、というしくみにして名前と位置を同時に覚えられるようにしました。
 特徴のクイズを作るのに図書館で本を借りたり、お兄ちゃんの教科書やインターネットで調べたりするのが楽しかったです。平野と川のパズルの電極位置は、平野4か所、川3か所の4×3の12通りの組み合わせを考え、電気の回路は電池、パズル、電球がぐるりとつながるようにしました。算数や理科にも関係していて面白いと思いました。一つ一つの作業に、とても時間がかかって大変だったけど、完成してうれしいです。これで、日本の平野と川は、バッチリ!になるといいです。
(講評)
 平野と川、2つのパズルが揃わないとその位置が光らないところによい工夫がみられます。この作品をつくりあげるために、12通りの電極位置を設定し、一つ一つの回路をつなげなければならないので、根気よく努力を続けたことが分かります。これで、日本の平野と川は、見る側にもよく分かります。

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岐阜県図書館長賞

地球に異変!〜サクラ前線から見る〜
岐阜大学教育学部附属小学校5年 尾崎太一

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(動機と感想)
 今年は猛暑が続き、気温が上昇し、記録づくしの夏でした。地球が何か変だ!さらに「100年後はサクラが見られないかも!?」というおどろきの記事を目にしました。やはり地球に何かが起きている!それを知るカギは、気象に深く関わっているサクラなどの生物ではないかと考え、サクラ前線に注目しました。サクラ前線の移り変わりを通して、地球にどのような異変が起きているのか。なぜそれが起きているのか。そして100年後には、本当にサクラが見られなくなるのか、その真相を探っていくことにしました。
 近所のサクラを冬から春、夏と観察し続け、さらに過去10年間のサクラ開花データを調べ、日本地図に日付ごとに色を区分し、変化が分かるように工夫しました。結果、前線は年々北上し、開花が早まっていることが分かりました。今年の夏の気象についても調べ、地球温暖化、ヒートアイランド現象の影響が裏付けられました。サクラにも大きく影響を及ぼし異変が起きています。温暖化が進めば、100年後サクラを見られなくなるのは間違いありません。僕は研究を通して、サクラは自然の代弁者として人間にメッセージを発していると感じました。「早く温暖化を食い止めて!」と。皆さんもこの研究結果を見て、地球を守るために一緒に行動しましょう。
(講評)
 サクラ前線や岐阜市開花・満開観測値、日本の年平均気温などについて、データを収集・整理・分析して、分かりやすい地図作品にまとめることができました。調査の過程で学んだことや伝えたいことが見る側によく伝わる効果的な表現もなされています。

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奨励賞

ぼくらののみ水マップ
岐阜市立岩野田北小学校2年 村上聡志

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(動機と感想)
 ぼくたちののみ水は、どこからきているかを知りたかったので、調べました。
 ぼくたちののみ水は、地下水を汲んでいるので、しょうどくの回数が少なく、とてもおいしい水なので、すごくよいと思いました。
(講評)
 おじいちゃん(二人)が住んでみえる場所と自分の家、3か所の水源地から送られてくる水を家族とともに飲み比べているところに低学年らしさを感じました。岐阜市内の水源地も分かりやすく地図に表現されています。3年生から始まる社会科につながるよい学習になりました。

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奨励賞

岐阜県の相撲場マップ
高山市立江名子小学校3年 松橋宙也

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(動機と感想)
 ぼくは保育園のころから相撲をやっています。強くなって、4年生になったら全国大会に出るのが目標です。それで、みんなが、いつ、どこで、どれぐらい相撲をしているのか調べてみることにしました。
 いろいろな人に話を聞いて、マップを作ることができて楽しかったです。いろんな所で相撲をしていることが分かりました。ぼくは、たくさんの人と相撲をしたいなと思いました。
(講評)
 自分が取り組んでいる相撲を通して調査を進め、主題をはっきりさせた地図作品にまとめることができました。年に一回は大会を開いている所があること、相撲をやらないと土俵が姿を消してしまうことなど、マップづくりを通して気づいたことをこれからも皆に広めながら、ぜひ、自分の目標を達成して下さい。

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奨励賞

長良川はしからはしへ橋めぐりの旅
岐阜市立長良小学校4年 久松紀史

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(動機と感想)
 社会科の学習で、自分の住んでいる家の近くには、長良川にかかる橋が2つあることを学びました。そこで、「他にも、どんな橋があるだろうか。」と思い、調べることにした。
 源流から河口まで、本当に色々な橋(つくりや長さ)があることが分かった。ひと目で、長良川の上流から下流までにかかる地図ができ、よかった。
(講評)
 長良川に架かる橋について根気よく調べて、橋のつくりと実際の橋を比べて分類したり、歩道・道路・鉄道・高速道路に分けたカードを加えたりして、よく分かる地図作品に仕上げることができました。また、源流から河口までの河川変化なども理解することができ、学習を深めることができました。

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奨励賞

等高線で金華山
岐阜市立則武小学校6年 高橋諒

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(動機と感想)
 作ろうとしたわけは、夏休みによく金華山に登るので、どうなっているか知りたかったから。
 金華山の形やロープーウェーなどの場所がよくわかった。また、等高線の意味もわかった。
(講評)
 等高線を発泡スチロールの板に丁寧に写して切る、貼り合わせる、組み立てるなど、一連の作業を根気よく続けて見事な立体作品に仕上げることができました。作品づくりを通して、同じ高さの等高線は、決して交わらないことも実感できたと思います。

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奨励賞

輪中の町海津〜水と共に生きる人々〜
海津市立西江小学校6年 水谷彰斗

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(動機と感想)
 今まで輪中に生きる人々の「水との戦い」「水害に対する努力や工夫」について調べてきました。今年は、「その水がもたらしてくれる恵み」が人々にとって、どう関わりがあるか調べてみようと思いました。
 かつて水に苦しめられてきた輪中地帯は、豊かな農作地帯に生まれ変わりました。そして人々を苦しめてきた水は、逆に豊富な水資源として、大きな価値があると思いました。
(講評)
 毎年、輪中をテーマにしてよい地図作品を作り続けていることがとても素晴らしいです。この地図作品から、水の恩恵を受けながら工夫や努力を続けている人々の営みがよく伝わってきます。自分が住んでいる地に様々な視点をあてた調査研究をこれからも続けてほしいと思います。

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奨励賞

金森氏の歴史
高山市立日枝中学校1年 熊崎一麦

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(動機と感想)
 去年調べた金森氏の歴史がとても興味深いものだったので、もっとくわしく調べてみようと思い、この作品をつくりました。
 歴史も調べつつ、それを地図に練りこんでいくというのが、思ったより難しくバランスに苦労しました。でも、これを見れば金森氏のことが全てわかると思います。
(講評)
 金森氏の魅力や金森家の人々、高山市内のゆかりの地などをバランスよく地図にまとめることができました。身近な地域の歴史調査を継続していることも素晴らしいです。

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