1957(昭和32)年−2005(平成17)年


1 「岐阜県立図書館」・「岐阜県図書館」の郷土資料

 昭和24年、岐阜市大宮町の岐阜公園内に旧日本軍岐阜部隊の武道場を移設して仮館舎とした県立岐阜図 書館は、翌年、名称を「岐阜県立図書館」と改めました。
 新館舎の用地が確定するまでさらに7年の歳月がかかりましたが、ようやく昭和32年、仮館舎の南隣にガラ ス張りの、当時としては大変モダンな新館舎が完成しました。

 新県立図書館は、図書の閲覧・貸出サービスのほか、館報や蔵書目録の刊行、展覧会、講演会などを積極的に行い、読書の振興をめざして、県内市町村への移動図書館車「ひばり号」の巡回や、読書サークル活動の支援にも力を入れました。

 そんな中、昭和42年に行った「戦後・郷土出版物展示会」をきっかけに、職員が県下各地を歩いてまとめあげた『戦後・出版物総目録』は、その後の図書館の郷土資料収集を勢いづけました。個人や団体発行の小冊子や、パンフレットレベルの行政刊行物にいたるまで、郷土に関する情報が記録された印刷物なら何でも網羅的に収集・保存し閲覧に供するという、地域の図書館の課題にさらに積極的に取り組むようになったと言えます。

 平成7年、岐阜市宇佐に新図書館が開館し、それまで湿気の多い閉架書庫に大多数がしまわれていた郷土資料は、利用頻度の高いものを中心に約1万8,000冊を開架閲覧室に置くこととし、複本のあるものについては基本的に貸出も可能とする画期的変更を行いました。また、コンピュータの導入によって資料の検索も多角的に行えるようになり、それまで埋もれていた資料が日の目を見るといったうれしい現象も起きるようになりました。また、貴重資料や劣化が進む資料については、複製資料の作製やデジタル化、マイクロ化にも着手しました。

 収集担当者は、日々新聞記事や協力者から得た出版情報をもとに寄贈の依頼を行うほか、地元書店や古書店からの購入による入手も行い、収集もれのないよう努めています。平成17年6月末現在、郷土資料の総点数は約9万9,608冊となっています。