イベント・事業報告

 令和5年2月18日(土曜日)、当館1階の多目的ホールにて、紺野美沙子名誉館長トークイベント・榎木孝明氏講演会を開催しました。このイベントは令和3年度に予定していましたが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため中止となっていたものです。2年越しでの開催となり、定員を超えるご応募をいただきました。

詳細情報

第1部 榎木孝明氏講演会 「薩摩義士・今と昔」

 「薩摩義士」とは江戸時代に木曽川・長良川・揖斐川流域の治水工事を完成させた薩摩藩士のことを指します。この治水工事を縁として、昭和46年に岐阜県と鹿児島県は姉妹県盟約を結び、令和3年に姉妹県盟約50周年を迎えました。
 講演では「薩摩義士」が携わった宝暦治水工事がどのようなものであったのか、また、この話をきっかけに感じたことをお話しいただきました。
 「西南戦争」「第二次世界大戦」「現代の自殺」と時代によって変化した「死の概念」についてのお話や、鹿児島に伝わる「郷中教育」を紹介され、戦後、希薄となりつつある日本人の精神性についてのお話、常識にとらわれない生き方、それぞれが持っている無限の可能性について、お話をいただきました。

第2部 トークセッション

 第2部では、紺野名誉館長の進行により、榎木さんとのトークセッションが繰り広げられました。
 岐阜へはテレビドラマや取材番組へのご出演、また絵を描くために何度も訪れていらっしゃる榎木さん。また加藤栄三・東一記念美術館で個展を開催されたこともあるそうです。岐阜県の印象は「山がたくさん」とのことで、鹿児島県の山の中で育った榎木さんは、この景色が落ち着くとのことでした。
 トークセッションでは紺野名誉館長が第1部の講演で疑問に思った点について質問をされ、「薩摩義士」への理解がさらに深まりました。
 また、榎木さんと紺野名誉館長はドラマや舞台で何度も共演されているとのこと。お互いの印象についてお話され、年を重ねることについては「日常をマイナス30歳で過ごす」と若さの秘訣を語られました。

 話題は、第1部の講演でもお話された「無限の可能性」から「不食」、「古武術」の話へと移りました。
 常識にとらわれないこと、人は3%の能力しか発揮しておらず、97%の眠っている能力を持っているというお話は、参加者の多くの心にも響いたようで、アンケートの感想でも「元気をいただきました」との声が寄せられました。
 古武術の実演もありました。紺野名誉館長が、榎木さんから伝えられたある言葉を心の中で唱えるだけで横たわる参加者の体を軽々と起こした場面はまるで魔法を見ているようでした。
 お二人の仲の良さが伺える、楽しいトークセッションとなりました。

参加者の感想(一部)

  • とても面白かったです。薩摩義士の話を元に日本人の精神などを学ぶことができ、これからの人生に少し自信が持てました。(20代)
  • 薩摩義士の治水の話、現代人の考え方の話などよかったです。自分の心の持ち方など、参考になりました。(40代)
  • 榎木さんの俳優以外の別の面が見れて大変良かったです。古武道に興味を持ちました。(50代)
  • 紺野さんの落ち着いた語り口や雰囲気、本当に素敵でした。榎木さんの実演にもびっくりでした。(50代)
  • 岐阜と鹿児島の良好な関係からはじまり、人間のはかりしれない可能性まで、老人であってもまだまだ未来を知ることのできる夢を与えられてよかった。古武術について大変貴重な良い話が聞け、勉強になった。(60代)
  • 同年代の榎木孝明さん、97%の可能性を今日から活かしていこうと思います。(60代)
  • 榎木さんの「薩摩義士」の話、大変ためになりました。鹿児島と岐阜のつながりに興味を持ちました。(70代以上)
  • 第二部のトークセッションの内容がとても良かった。”言霊”について考えさせられました。古武術の実験もとても良かった。わかりやすかった。力を抜く!(70代以上)

関連図書展示

 当日は、図書館閲覧室内に榎木さん、紺野名誉館長の著作、鹿児島県に関する図書などを展示、紹介するコーナーを設けました。
 展示した資料の一覧は「展示リスト」、もしくは資料紹介のリンクからご覧ください。

展示リスト(PDF:699KB)

紺野美沙子名誉館長トークイベント・榎木孝明氏講演会(資料紹介へのリンク)

問い合わせ先

担当係 岐阜県図書館 企画課 企画振興係
電話 058-275-5111